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2015年04月05日 02:10

【レビュー】映画『20歳よ、もう一度』② 戻りたい時間はあるか?と自問自答したくなる作品。

バンドで成功する夢を追いかけるというより、実際は将来に不安を抱え、夢にしがみついているチェンチンが、20歳に若返った自分のお婆ちゃんと出会い、恋をし、一緒にバンドを組み、自分の作曲の才能を自分で信じることが出来る喜びを知り、夢を現実に変えていく。チェンチンを通して、今まで見たことのないルハンのいろいろな表情を発見する。「少し話せる?」と気になる女の子を誘ったり、ギター&ボーカルで歌を披露したり、才能を否定されて失望したり、ドキドキしたり嫉妬したり舞い上がったり…。

物語の終わり、エンドロールのクレジットがスクリーンに流れる中、エンディングの歌を聴きながら約130分の作品を振り返り、スクリーンに流れるクレジットに意識を集中させて、ルハンの名前を探してしまうだろう。「演唱:LUHAN」の名前を見つけた時、あぁ確かにルハンだ、スクリーンの中で音楽を楽しんでいるルハンに会えた。

豪華キャスト陣の中で、見た目は20歳だけど中身(心)は70歳のおばあちゃん役を演じたのはヤン・ズーシャン。彼女は劇中でテレサ・テンの「つぐない」を歌い美声を披露している。また、音楽プロデューサー役には、日本にもファンが多いチェン・ボーリン。彼にも注目しなければならない。台湾のドラマ『イタズラな恋愛白書』の大ヒット、中国映画『ブッダマウンテン 希望と祈りの旅』の日本公開時(2013)には来日している。チェン・ボーリンは、こだわりを持ち、自分のセンスに自信を持っている音楽プロデューサー役をストレートにキュートに演じている。

韓国版のエンディングではキム・スヒョンがサプライズ出演して話題になった。それとは趣は全く違うが、今作で最後まで驚かせてくれるのは、やはりルハンだ。

戻りたい時間はあるか?

この作品は、ふと立ち止まり、自分の生きてきた道のりを振り返り、あの頃自分が見た夢は叶ったのか?と、自問自答する機会をあたえてくれる。今日までガムシャラに生きてきた人は、自分に「よく頑張ったよね」と、褒めてあげたくなるだろう。

モンジュンはいつでも、その時出来る精一杯をもがきながら必死にやってきたから、20歳に戻るというご褒美をもらえたのかもしれない。彼女が毎日、「あの頃に戻りたい」と愚痴ばかり言っているようなおばあちゃんだったら、奇跡は起こらなかっただろう。だから、タイトルは『20歳よ、もう一度』だが、決して過去にもどりたかったおばあちゃんの話ではなく、70歳まで真っ直ぐ前だけを見て生きてきたから、オマケとして素敵な時間と夢をプレゼントされたんじゃないかな。

そして20歳に戻ったおばあちゃんが巻き起こす奇跡は、是非映画館で観て欲しい。

(text:Kiyori Matsumoto)

【レビュー】映画『20歳よ、もう一度』① スクリーンデビューしたルハン(元EXO)、劇中でギター演奏と美しい歌声を披露。
【レビュー】映画『20歳よ、もう一度』② 戻りたい時間はあるか?と自問自答したくなる作品。 

『20歳よ、もう一度』
2015年/中国映画/132分/監督:レスト・チェン『花蓮の夏』/出演:ヤン・ズーシャン『So Young 過ぎ去りし青春に捧ぐ』、グァ・アーレイ『ウェディング・バンケット』、チェン・ボーリン『台北に舞う雪』、ルハン/ 配給:CJ Entertainment Japan
20again-movie.jp
●6月12日(金)よりTOHOシネマズ新宿にて先行ロードショー、6月19日 (金)より 全国ロードショー

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