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“アイドル共和国”韓国、9年で244グループがデビュー H.O.T.からEXOまで

2013年09月24日 00:08

韓国は”アイドル共和国”である。いまでは毎日のように新しいアイドルグループの誕生を耳にするのが当たり前になっている。

2001年のH.O.Tの解散とともに、それまでのアイドルグループ市場は消滅してしまうと誰もが一度は思った。しかし、2004年に東方神起(SMエンターテイメント)がデビューするとそれは再燃した。しかもそれは再び火が付いたという生半可なものではなく、彼らの登場をきっかけに、アイドルグループの動きはより強力になり、進化し、野火のように広がって行った。

▲ 第1世代と言われるアイドル達

もちろん人気のあるアイドルグループは大衆の支持を得ているから注目されているのだろうが、彼らはすでに韓国の文化にも影響を及ぼし、その点においても多くの注目を受けている。

しかし、いったいどのくらいのアイドルグループが人気を得ているのだろうか。韓国のエンターテイメントプロデューサー協会に登録されているもの以外にも多くの事務所があるため、確実な数字を表すことは不可能だが、韓国最大の音楽チャート「Melon」のデータを借りて、2005年から2013年7月までの音楽チャートからそれを調査することができた。

調査では、Melonの週間トップ100に登場したアイドルグループをカウントし、さらに活動中のグループをまとめた。

ボーイズグループでは、2005年は19グループ、2006年は10、2007年は10、2013年には17のグループが活動していて、トータルで130のグループがあった。ガールズグループは2005年は16、2006年は4、2007年は11、2013年は10グループで、合計103グループである。そのほかに9年間で男女混合のグループが11あり、2005年からのアイドルグループの総数は244である。

しかし、事務所や制作者などによると、それよりずっと多い数が存在するという。ある大手事務所の担当者は「もしデイリーチャートを調査するなら、その中で現れては消えて行ったグループもあるだろうから、少なくとも300のグループが存在する」と語った。

今回の調査の限りでは、2004年の東方神起のデビュー以来、アイドルグループの数が急激に増加している。1990年代後半から、2000年代初めに活躍した第1世代アイドル、H.O.T.、Sechs Kies(ジェクスキス)、S.E.S.、Fin.k.Lなどとは異なり、東方神起の登場は、第2世代アイドルの始まりだと位置づけられる。

▲ 第2世代と言われるアイドル達

その後、SUPER JUNIOR、BIGBANG、SS501、そして2PMなどが第2世代のアイドルとして活躍、一方、ガールズグループは、少女時代とWonder Girlsのデビューが、新世代のけん引役となった。2007年には、11のガールズグループがデビュー、2008年は8、2009年は7、毎年少なくとも10程度の新しいグループが誕生しており、これはこの2つのグループが、これまでとは違う新しい戦略を持って出てきたことが影響していると思われる。

■ なぜこれほど多くのアイドルグループが誕生したのか?

2013年になって、すでに30もの新しいアイドルグループがデビューを果たしている。たとえば、SPICA、HelloVenus、AOA、Bigs、Glam。そのほかあまり知られていないグループも新曲をリリースし、表舞台から見えない場所でも活動している。

もっとも良く知られているグループであるEXOは、すでに音楽チャートで1位を獲得し、既存のグループと肩を並べる存在になっている。近頃では、音楽チャートでソロアーティストを見つけるのは困難で、ここ5年ほどは、トップ10のうち、7~8がアイドルグループで占められている状況だ。

▲ 昨年デビューしたEXO

これほどに多くのアイドルグループが存在する理由のひとつに、それに代わるものが存在しない、という事情がある。アイドルグループは、音楽の売上高が減少している韓国市場に必要な国際的な収入をもたらすことができるうえ、売り易く、迅速に投資の見返りを得るための”武器”なのである。

Bobbykim(ボビー・キム)の所属事務所であるオスカーエンターテイメントの担当者は6月、来年事務所初の男性アイドルグループをデビューさせることを発表。「音楽業界は、アイドルグループなしでは生き残ることが難しい市場となっている。それは大きな投資だとしても、必要な挑戦だ」と話している。

アイドルグループの台頭は、韓国のOST市場の下落も原因の1つと考えられている。OST曲の寿命は短く、バラードの需要はそれほど高くないため、最初の2週間で反響が得られないと、その歌は結局表舞台から姿を消してしまうことになる。

■ アイドルグループの育成 ~All or Nothing~

「アイドルグループの育成」と簡単に言っても、それに関する費用は莫大だ。1つのグループをデビューさせるのに、大体4000万円ほど必要だと言われている。ただしこれは、中小規模の事務所でのコストだ。

大手の事務所においては、研修生にかかる費用は毎月数千万円単位であり、Wonder Girls、2PM、miss Aなどを擁するJYPエンターテイメントでは、新人開発チームのために、月に約2000万円を費やしている。約40人の練習生のレッスン、寮費や管理費、英語の授業やダンスレッスンの費用を事務所が負担している。

JYPの担当者は「一概に歌のレッスンといっても、あらゆる手法があり、練習生が受けるためのレッスンは約70の異なるカリキュラムがある。これを維持するのに年間2億円以上かかる」と話している。

これらの話を聞くと、アイドルの育成はあまりにも困難なもののようだが、時にアイドルグループは、最後の切り札ともなりうる存在でもある。たとえば、YGエンターテイメントにおけるBIGBANGや、WMエンターテイメントにおけるB1A4などがそうだ。しかしながら、これらはごくまれな例で、多くの事務所が目論む無謀なアイドルグループのデビュー計画は失敗することのほうが多いようだ。

■ アイドルグループとその未来は?

これらアイドルグループはこれからどうなって行くのか?専門家は、ますます多くの選択肢を求める消費者の要求を満たすために多様化するだろうと話している。

第1世代のアイドルグループは、未熟なところも多く、事務所との契約も多くの問題を抱えていたが、第2世代では、それまでの経験を踏まえ、契約の面においても、実力の面においても、よく準備されるようになってきた。

よく知られている話ではあるが、アイドルを目指す練習生たちは、歌やダンスはもちろんのこと、振り付けや演技、英語、さらには、海外市場についての知識やチームワーク、ビジネスパートナーシップについての講義にいたるまで学んでいる。

そして、数えきれないほどのアイドルグループは、その後ろに膨大な数のファンを抱えていて、常に真の成功を追い続けて日々活動しているのだ。

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