2014年の韓国ドラマのトレンドとは?〜傾向と予測〜
2014年01月24日 01:18
「時代劇・複合ジャンル・ケーブルチャンネル」2014年の韓国ドラマのトレンドを予測する時にはずせないキーワードだ。
これまで韓国ドラマといえば、あらゆる世代の視聴者がTVの前に集まって頭をつき合わせて観るイメージがあったが、最近は視聴者の志向が多様化していることもあり、素材やジャンルが細分化されてきている。おそらくこの傾向はもっと進んで行くだろう。また地上波、ケーブルTV、総合編成チャンネル間の競争が激しくなり、俳優の出演料の削減など、コスト削減に乗り出す傾向も見える。
■時代劇の復活
しばらく低迷していた時代劇は、このところ復活の兆しが見えてきている。昨年から始まった『奇皇后』(MBC)は好調で、1月から始まった朝鮮建国の功臣を主人公にした『鄭道博(チョン・ドジョン)』と、約100億ウォンの製作費を投入され1930年代の上海と韓国を舞台にしたキム・ヒョンジュン主演の『感激時代』はいずれもKBSの意欲作だ。
また下半期には、大ヒット時代劇『チャングムの誓い』(MBC)の続編が11年ぶりに製作されることが決まっている。韓国内だけでなく、海外でも高い評価と人気を得、子ども向けにアニメ作品も制作されるなどした大ヒット作なだけに、どんな作品になるのか、期待は大きい。
この他にも近年人気のあるフュージョン時代劇も若い世代を時代劇に取り込む軸として製作されるものと思われる。ある製作者は「フュージョン時代劇は若年層を捉えられるよう、CGも多用するなどして、ファンタジー要素がさらに多く取り入れられるだろう」と語っている。
■複合ジャンルのドラマが続々と登場
昨年のドラマの顕著な流れのひとつは、ファンタジーとスリラー、ロマンスとアクションなど、多様なジャンルの要素が取り入れられている点である。KBS『秘密』、SBS『あなたの声が聞こえる』などは、しっかりとした構成のなかに様々なジャンルを盛り込んだドラマで、このような流れは今年も続くと思われる。
2月放送予定のSBS『神の贈り物』はタイムスリップを題材にファンタジーとロマンス、アクションなどが加味された作品であり、FTISLANDのイ・ホンギが主演する『百年の花嫁』(TV朝鮮)も、ラブロマンスにファンタジーやミステリーの要素を含んだ複合ドラマだ。
あるドラマ製作会社関係者は「異なるジャンルの複合は、ハリウッド映画などでもみられる世界的なトレンドで、そうした作品の中に様々なキャラクターが共存して、視聴者に退屈を与えないという点で、複合ジャンルのドラマは、今年もドラマ業界の大きな流れになるだろう」と語った。
■「すき間」市場を狙ったケーブルドラマパワー
もはやケーブルTVドラマは「少数の視聴者のための作品」とか「地上波のドラマには及ばない水準」という修飾語は無用になった。むしろ、あらゆる年齢層に向けて製作される地上波ドラマが手を出さないジャンル性の強いドラマや斬新な企画が引き立つ作品を送り出し、ドラマ業界の新しいトレンドをリードしていると評価されている。
特に昨年好評を博したtvNの『ナイン~9回の時間旅行』と『応答せよ1994』の成功で、ケーブルドラマは地上波を脅かすブランドパワーを見せて、その立場を安定させた。今年はジャンルと素材が多様化され、ケーブルドラマの成長がさらに加速すると思われる。
バラエティ要素を加味した作品(tvN『応答せよ1994』)や、日常性を生かした作品(tvN『食事をしましょう』『ぶっとびヨンエさん』)、ジャンル性の強い作品(OCN『TEN』)が今後も出てくることが期待される。
このように、次々と力作が繰り出される韓国ドラマの勢いは衰えることはなさそうに見えるが、問題がないわけではない。スタッフやキャストに対する不払い問題は昨年も問題になったし、スター作家やスター俳優たちの高額なギャラも問題になっている。
さらに「視聴率至上主義」ゆえに、ドラマとしての完成度よりもセンセーションな展開ばかりが強調され、「最高で最悪なドラマ」と評されたMBCの『オーロラ姫』の存在も無視できないだろう。
いまやアジアだけでなく、世界中をとりこにしている韓国ドラマ。今年はどんな作品が現れてどんなスターが誕生するのだろうか?想像するだけでわくわくしてくるドラマファンのためにも良質なドラマを期待したい。
(Text: Yuki Awatsu)
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