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【インタビュー】ドラマ『ビッグマン』主演カン・ジファン(1)撮影中、最も苦労した撮影シーンは?

2015年03月13日 09:57

ドラマ『お金の化身』『私に嘘をついてみて』などで女性ファンを虜にしたカン・ジファンが、主演最新作『ビッグマン』のDVDレンタル&販売に合わせて、インタビューを行った。

1. まずは、本作に出演を決めた理由を教えてください。
まず最初に私の目を引いたのは、メインコピーでした。台本やストーリー、監督などは二の次で、「主人公が持つ心臓だけを望んでいた」というメインコピーがあったんですが、あらすじの前にそのメインコピーを見た瞬間心臓にびりっとくるような、「このドラマは何か違う」と感じました。

2. キム・ジヒョクという人物のどこに惹かれましたか?
たくさんの魅力がある人物でしたが、キム・ジヒョクの一番の魅力は純粋さだと思います。見捨てられてひとりで苦労しながら生きてきたにも関わらず、英雄的な面や並外れた才能があるわけでもなく、ただひたすら周りの人々のために耐えて立ち向かっていくキャラクター自体が、これまで見たことがないキャラクターでした。そういう点に魅力を感じました。

3. キム・ジヒョクと実際のカン・ジファンさんに共通点はありますか?キム・ジヒョクに共感できる部分を教えてください。
一番似ているところは、純粋さ?(笑) 違うところは、彼のように周りの人々のために何かをする勇気が、今の私にはまだ足りないと思います。キム・ジヒョクの場合、自分を見つめて頼ってくれる周りの人々のためにどんな障害にも立ち向かっていきますが、私にはそこまでの勇気はない気がします。本作を通じてキム・ジヒョクという人物を演じて、「これからの人生で、私の周りの人々の力になれる人に成長しなくちゃな」という点を学びました。似ている点は、やっぱり“純粋さ”です(笑)。
一番共感できた点は、キム・ジヒョクの孤独だと思います。幼い頃に両親から捨てられて、自身が望んでいたとしても望んでいなかったとしても、荒々しい人生の中で強靭になるしかなく、喧嘩したり、愛する女性にすら見捨てられるような状況で、キム・ジヒョクがとてもかわいそうに見えました。彼自身がとても孤独でかわいそうに感じて、大声で泣いてしまいたいような気持ちになりました。自転車に乗っていて倒れて泣くシーンがあったんですが、ドラマ上にはもともとなくて暗がりでひとり立ちすくむシーンだったんですが、すごく号泣したかったんです。子どものように大声を上げながら、純粋に。作品を演じながらそこまで同化するというのは簡単なことではないんですが、彼の孤独さにとても共感したんです。

4. 人々と強い情で結ばれたキム・ジヒョクを演じるにあたり、特に気を使った点を教えてください。
ドラマ序盤の市場での演技は、できるだけ自然に演じたいと思いました。基本的にドラマと言えば、どんなキャラクターであれ正確な発音や発声など基本的なことから始まるんですが、この作品ではそんな発音やトーンなどの部分にまったく気を使わず、演技として見せるんではなく、普通の市場の方々が使うような楽な口調で表現したいと思って、努力しました。

5. キム・ジヒョクを演じるにあたり、監督や脚本家からどんな話がありましたか?また、自らが出したアイデアなどはありますか?
序盤で監督が望んでいたキム・ジヒョクという人物は、もっと強靭で感情表現も硬い人物でした。でも、私は市場の人々と疎通をしながら生きてきた人物として、誰でも親しくなれるような性格じゃないと駄目だと思いました。そういう点に関して、最初の頃は監督とたくさん話し合いました。
私が出したアイディアは、自転車に乗って倒れて号泣するシーンや、復讐しようと野球バットを持って走って行くんですが巨大なビルの窓ガラスに映った自身の貧弱な姿を見て挫折をするシーンだったり、死ぬほど殴られて相手の足にしがみついて「僕が悪かった。見逃してくれ」と卑屈に頭を下げるシーンなど、“ドラマの主人公”ではなく人間の本質の姿を見せるシーンは、私のアイディアでした。

6. カン・ドンソクを中心とするヒョンソングループのさまざまな妨害にも関わらず、周りの人々との強い絆で次々と打ち勝っていくキム・ジヒョクの姿はとても痛快でした。実際のカン・ジファンさんが最近最も痛快だった出来事は?
痛快というのは、誰かに復讐したり、努力をして得た時に“痛快”という単語が似合いますが、このドラマは復讐劇や人々とのヒューマニズム的な雰囲気がありましたが、それよりも周りの人々のために、“私”ではない“私たち”のために何かをした時、その人々がそれをわかってくれたということ自体だけでも、何か爽快な喜びのようなものを感じたと思います。市場の商人たち……すべての人々が背を向けた時、その人々のために法廷で戦い、うまくいかなかった時も「僕の能力がこれしかなくてごめん」と謝るんですが、その人々は「むしろそんなことは重要じゃない。あなたがいたからついて来たんだ。それ以外ない」と言ってくれるシーンがありました。キム・ジヒョクを傷つけようとしていた人々への復讐をした痛快さよりも、心に響く温かさや感謝がまた違った痛快さや喜びだった気がします。

7. 相手役のイ・ダヒさん、ライバル役のチェ・ダニエルさんと共演された感想を聞かせてください。
先輩方はもちろんですが、私ももう10年以上やってきて、後輩によっては憎たらしいほど努力しなかったり、「所属事務所のせいで出演したんだな」と思うような、似合っていないような作品をしている姿を見せる後輩もたまにいるんです。私も俳優ですが……。でも、チェ・ダニエルさんやダヒさんの場合、本当に久しぶりに私自身も緊張させられるほどしっかり準備をしてきて、ストーリーに対する没頭度や作品に対して深く考えたり、そういう準備をしっかりする方々でした。ライバル心ではないですが、「負けられない」とも感じましたし、彼らよりも先輩として頑張らなくちゃとも思いました。だから、普段よりもさらに台本を深く掘り下げたりしました。ライバル心ではないですが、一生懸命やっている後輩たちが周りにいたので、私も自分自身を奮い立たせ、きつくても踏ん張れたんじゃないかな、とありがたい思いです。
実質的に、後輩たちがいつもしっかり準備をしてくるので、「私は何をもっと頑張れるかな?」「NGを出さないようにしなくちゃ!」って(笑)。だから、せりふもいつも以上に一生懸命完ぺきにしようとしました。他の作品よりも2~3倍くらい(笑)。だから、私が演じたドラマ作品の中で一番NGが少なかった作品だったので、私自身も驚きました。「私がこんなにNGを出さないなんて……」と思うほど、すべての撮影シーンで熱意を燃やした気がします(笑)。

8. イ・ダヒさんやチェ・ダニエルさんなど同世代の俳優から、オム・ヒョソプ先輩やクォン・ヘヒョ先輩などベテラン俳優など、個性豊かな実力派俳優が多く出演されました。現場の雰囲気はいかがでしたか?印象的なエピソードや面白いハプニングなどがあったら教えてください。
雰囲気自体が、いつも少し緊張の連続だった気がします。ストーリー中盤以降は、台本の完成も少しずつ遅れてきて、スタッフや俳優が苦労した部分もありました。視聴率が中盤以降から順調に上昇していたと思ったら停滞期があって……。エンディングに向かうにつれて少しずつ盛り上がっていかなければいけないのに、思うようにうまくいかず、良い台本が出来ても撮影時間がすごく足りなくて、もっと何かをお見せしたいと思っていたんですが、そういう部分がいつも少し残念でつらい時期でした。でも、幸いにも監督自体の性格が「現場は明るく楽しく、頑張ろう」という主義だったので、俳優はいつも深刻な顔をしていましたが、監督がむしろ少し……(笑)。俳優やスタッフではなく、監督が自ら出演陣や制作陣の緊張を解そうとしてくれました。

9. 『ビッグマン』の撮影中、最も苦労した撮影シーンは?
撮影中、足の親指にひびが入る予期しないアクシデントがありました。アクションシーンとかいろいろなシーンの撮影を控えていたんですが、きちんと歩くこともできなかったので革靴やスニーカーの指の部分を切り取って撮影をしたんです。もっとうまくできたはずなのに、自分がいたらなかったせいで周りに迷惑をかけたんじゃないかなと気をもめた時期が、一番きつかったと思います。

10. 劇中のキャラクターと実際に演じた俳優のうち、シンクロ率が最も高かった俳優は?反対に、役柄と実際の性格が一番似ていない俳優は?
2人います。私たちの母親のダルスク母さん役で出演されたソン・オクスン先輩が、すごく楽でした。シーン自体もいつもスンデグク屋で会い、特に母親というキャラクターは、楽に接することができるように「先輩」と呼ばずに「母さん(オンマ)」と呼んでいたんです。「母さん」という呼び方からも、私をすごく楽な気分にさせてくれました。もうひとりは、チャン・テソンさんです。5~6年前にドラマ『京城スキャンダル』で一度共演したことがある方でした。彼が今回は私の親友ヤン・デソプ役として演じていたので、すごく気持ちが楽だった気がします。実際もすごく気楽な友人です。
逆に、実際の姿と似ていない方は……チャ・ファヨン先生かな。冷たくて冷静で高慢な性格の人物を演じていましたが、現場を一番明るくしてくれて、他の共演者やスタッフの方々の面倒を見てくれて、「あの人、本当に私の心臓を狙ってる人だよね?」と思うほどでした(笑)。カン会長(オム・ヒョソプ)と夫婦役を演じられて、劇中ではすごく悪い人物として登場するんですが、カメラが止まると私を絶賛してくれて、面倒を見てくれる、そんな方でした。(⇒もっと読む

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【インタビュー】ドラマ『ビッグマン』主演カン・ジファン(2)「“俳優カン・ジファン”ではなく、演じたキャラクターで記憶に残りたい」

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