【レポート】BOYFRIENDドンヒョン＆B1A4サンドゥルがダブル主演！ミュージカル『千番目の男』

2013年10月09日 12:16

JR渋谷駅から公園通りのゆるやかな坂道を登りきった突き当りにAiiA Theater Tokyoはある。ここで9月28日から上演開始したミュージカル『千番目の男』は韓国のMBCで2012年に放送され大好評を博したドラマを、日本と韓国の共同製作で初めてミュージカル化した作品。BOYFRIENDのリーダー・ドンヒョンと、B1A4のメインボーカル、サンドゥルの2人がダブル主演を務めることでも、K-POPファンの注目を集めている。

10月1日は主演ドンヒョンの初日というこもあり、ロビーにはファンから届けられたたくさんの花スタンドが甘い香りを放っていた。

『千番目の男』は古くから韓国に伝わる伝説の“九尾の狐（クミホ）”をモチーフに、自分の命よりも大切な相手に出会ってしまったウンソク（ドンヒョン）とミジン（カン・ミンギョン）の、何百年もの時代を超えたピュアで切ないラブストーリー。

千年の間に千人の男性の肝を食べれば人間になれるが、そうでなければ泡のように消えてしまうという九つの尾を持つ伝説の狐、九尾狐（クミホ）。九尾狐のミジンは自分のことを心から愛してくれる男の肝を999個食べてきたが、千年まで残りあと３カ月と迫っていたが、最後の男がなかなか見つからない。すでに人間になっている母と姉は、「いったいいつになったら人間になるの？」と文句を言いながらも、ミジンを人間にするために千人目の男を必死に探すが、ミジンは純粋に真実の愛を信じて千番目の男を待っている。

ドンヒョンが演じるキム・ウンソクは1日に1組しか予約を取らないという贅沢なレストラン「LAST」のオーナーで、医師から余命宣告を受けている。彼はかつて高麗時代に、ミジンを愛し命を捧げた男に瓜二つ。舞台のオープニングは高麗時代の哀しい別れから始まった。ドンヒョンとカン・ミンギョンの少し緊張した歌声がゆっくりと響き、やがて重なり、映像とリアルをシンクロさせた演出で衝撃のファーストシーンが終わる。

それから何百年も時を経て、舞台は現代のソウル。ウンソクがオーナーを務めるレストラン「LAST」に客としてやってきたミンジと出会い、2人は反発しながらも次第に惹かれあってゆく。だが、そう簡単にはいかない。九尾狐を狙うハンター、パク・キュ（テイ）がミジンの狐玉（＊これまで肝を食べ、人間の精気が詰まった玉）を手に入れることが出来れば延命できるので、こちらも必死！ちなみに、パク・キュ演じるテイは2012年に韓国でデビューしたボーイズグループ「MR.MR（ミスターミスター）」のメインボーカル。

今作でドンヒョンがソロで歌う楽曲は切々と思いを語るようなバラードが多く、一方、テイの歌う楽曲は激しく感情をぶつけるROCK調のものから、パフォーマンスもK-POPのダンスグループ的なものまで派手だ。キスすれば狐玉を奪うことができるとあって、キスが物語の展開で重要なキーワードとなっている。やがでウンソクとミジンはお互いの気持ちに気づくのだが、自分の余命が短いことを知っているウンソクは、「愛」と真正面から向き合うことを恐れてもいるようだ。

舞台美術はごくシンプル。レストラン、ミジンの家はポップでカラフルな配色だが、夜のソウルを描いた美しい背景も印象的。ソウルの街を一望出来るNソウルタワーのシルエットと大きく丸い月が重なっているシーンは神秘的だ。

そして後半、ドンヒョン演じるウンソクのストレートで男らしい姿に観客は息をするのも忘れて見入っているみたいだった。果たして余命3ヶ月と宣告されたウンソクは、命を選ぶのか、愛を選ぶのか。2人が選んだ真実の愛とは・・・。物語の結末はぜひ舞台に足を運んで観て欲しい。

全てが終わり、まるで夢から覚めたみたいに、カーテンコールでは現実のドンヒョンがステージにいて、BOYFRIENDのライブのようにハートを観客に投げたりしていた。

■ ミュージカル『千番目の男』
日程：2013年9月28日（土）～10月13日（日）
会場：AiiA Theater Tokyo
公式サイト：https://www.1000th-man.com/

出演：ドンヒョン（BOYFRIEND）、サンドゥル（B1A4）テイ（MR.MR）、キム・ボギョン、カン・ミンギョンほか
プロデューサー：チョン・ジェウォン
演出：イ・ミンホ
原作・脚本：キム・ギュンテ
作曲：カン・ドンチョル
音楽監督：ジョン・ジュンギュ
振付：カン・オクスン

（文：Kiyori Matsumoto）